医療の未来
医師不足、2016年に7.7万人 日経センター試算日本経済研究センターは、医学部定員増の効果が出る直前の2016年に日本の医師不足が7.7万人に達するとの試算をまとめた。17年以降は医師の数が増えても、三重県や広島県などでは高齢化で患者数が増えるため、30年でも医師不足が続くとの見方を示した。問題解決のためには、医学部などに医師の地域偏在を是正する仕組みを作る必要があると提言した。
医師不足を解消するために、今後10年かけて医学部の定員数を現在の1.5倍に拡大するとの政府方針に沿い、将来の医師数を推計した。試算は現在でも全国で7.2万人の医師不足が生じていると指摘。医学部定員を増やしても医師として仕事をするには8年かかるため、医師の不足数はピーク時の15年に7.8万人に達すると予測した。出典:NIKKEI NET 2009/8/20
秋月便りで「医師不足」の記事が掲載されていました。医師と聞くだけで憧れの職業と考えてしまうのは私だけではないでしょう。しかし、現状は医師不足による現場の過酷な状況です。なぜ医師が不足してしまうのでしょうか。Wikipediaには下記のように記されています。
日本の医師不足の原因日本の医師不足は以下の4点で構成される。
* 医師の絶対数の不足
* 病院での必要医師数の不足
* 地域偏在による不足
* 診療科に属する医師の需給不均衡による不足
医師の絶対数の不足
日本国内における医師の数は2005年現在、約29万人と言われ
ている。この数値は、人口千人あたりでみると、OECD加盟国の平
均以下であり、OECDの平均と比較すると医師数の絶対数は大きく
不足している。しかも日本の場合、就業の実態を問うことなく医師
免許所有者をすべて医師数に含めており、実際に医療にフルに従事
しているのは、21万3000人にすぎない。この数値を人口千人
あたりでみると、OECD諸国で68位の韓国や69位のクウェート
と同水準になってしまう。
中略
病院での必要医師数の不足
従来地域の総合病院が医師を確保する方法として、医局の人事によ
る派遣が主であった。病院は医局から送られてきた医師を直接雇用
し治療に当たってきた。医師の交代などの人事権は各科の医局の一
存で決まっていた。このシステムによって地域の総合病院の人的資
源は維持されていたが、その非民主主義的な側面を問題としたマス
コミや官僚により医局解体が取りざたされるようになった。そして、
2004年4月からの新医師臨床研修制度によって、実質的な医局
解体の動きをもたらされることになった。
この新医師臨床研修制度の開始に伴い臨床研修指定病院の要件が緩
和され、従来、大学病院など特定の病院においてのみ研修が可能で
あったのが、一般の民間病院においても研修ができるようになった。
これにより、新人医師(研修医)は大学医局に属することなく初期
研修を受けることができるようになり、医局の人事権は大きく損な
われることになったのである。さらに、新人医師は多彩な症例が多
い病院を選択する傾向があり、薄給で下働きが多いとされた大学病
院や地方の病院での研修を避けるようになった。しかも、都市部の
民間病院でも医師不足は深刻な状態にあるため、研修後も大半は地
方の大学病院に戻ることはなかった。
そして、この一連の流れにより大学病院での医師が不足するように
なり、大学病院は高水準の医療を維持するために地方の病院に派遣
していた医師を引き上げる結果となった。こうして地域の総合病院
などから医師が引き上げられたことで、地域病院の診療科が次々と
閉鎖に追い込まれるなどの問題が日本国中で生まれるに至った。
地域偏在による不足
上にみたように、新医師臨床研修制度の問題で僻地に派遣されてい
た医師が医局人事により引き上げとなり、新たな補充もなく、僻地
から医師がいなくなるケースが生じている。そのため各病院は自力
で医師を捜すことを強いられるようになった。しかし、僻地と呼ば
れる病院に自主的に勤務するインセンティブはなく、結果として、
地域偏在による医師の不足が顕在化し始めている。
中略
診療科に属する医師の需給不均衡による不足
外科、小児科、産科は過酷な勤務状態にあり、転科したり、そもそ
も志望する医学生が減ってきている。
2004年から始まった新医師臨床研修制度において2年間の臨床
研修が事実上義務づけられた。今まではそのまま志望科の医局に入
局していたが、希望の有無を問わず様々な科にも診療を行う必要が
生じた。そのため、志望科の過酷な医療状況を目の当たりとし、志
望を変えるケースもある。特に産科は福島県立大野病院産科医逮捕
事件の影響から、「逮捕されるリスクがある」との認識が広がって
おり、産婦人科が婦人科のみにしたり、産婦人科を志望していた医
学生がその志望の選択肢から除外する傾向が強くなっている。
また、従来の勤務医も、医局人事であるにもかかわらず、過酷な労
働条件に耐えかねて退職や開業をしたり「フリーター化」する医師
が増え、勤務条件の悪い総合病院等の特定診療科における医師不足
の拍車をかけている。出典:Wikipedia
医療崩壊を連想させる内容です。医師の不足に加え、インフォームドコンセントや医療技術の進歩による専門性などが医師ひとり当たりの負担を増加させているようです。このような状況が長く続くと医師は現場から遠ざかっていき、やがて病院閉鎖へと繋がるのです。
これにより現場を通じた技術の継承なども途絶えてしまうでしょう。そして、医療水準の低下により医療崩壊が現実のものとなってしまいます。
また、多くの分野で似たことが発生しています。原子力関係では若者が就職を避けているそうです。技術の継承をする世代が育たなければ原発の事故の発生確率はさらに高まるでしょう。製造業でも生産性を上げるために作業者の負担が増加しています。これで健康を損なえば病院に行くのでしょうが、さらに医師への負荷が増加することになってしまいます。
あらゆることが縦横無尽に様々な繋がりを持ち、悪循環を始めています。残念ながら止めることはできません。出来ることは電脳化された社会へ繋がることでしょう。
2009年9月22日 06:00 | カテゴリー: 社会


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